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WHERE TO GO? Blog

おふとん丸

おふとん丸に乗ずれば
頓に目覚めし夜明けかな


おふとん丸は不思議な船である。
数え切れないほどの眠りを経験しながら、眠る瞬間の記憶がまるでない。

おふとんに入るところはよく覚えている。
寝返りをうったり考え事をしたり、時には羊を数えたり、これらもよく覚えている。
いつ眠ったのか、その瞬間が分からない。
目覚めると「たしかに眠っていた」と知れるのだが、眠りの瞬間はまるで無かったかのようだ。

眠っている時間もまた不思議である。
例えば点滴なんかで「3時間くらい横たわっていろ」と言われれば苦痛でたまらないが、おふとん丸に揺られる6時間には快適という意識すらない。
おふとん丸は時間の進み方がちがう。

それでいて眠れない夜には、喚べば喚ぶほど遠ざかるおふとん丸である。
乗ろうと思って乗れる船ではない。
喚んでもこないおふとん丸に、気づいたら乗せられて、朝。